戦略的グズ克服術

「進まないのは怠け癖のためではない。不安を取り除けばいいんだよ。」
帯に "いつまでもグズだと思うなよ。" と書いてあるのは、岡田斗司夫著の "いつまでもデブと思うなよ。" から来てるんだろうな、きっと。この本には合わない煽り文句だな…と思いつつタイトルを見直してみれば、これも原題とかけ離れていて、なんか違う感じがする。著者は臨床心理学者として実際に治療を繰り返して来た人物なので、もうちょっと優しく包み込むような雰囲気がいいんぢゃなかろうか? 「あなたは悪くない。すぐやる習慣を一緒に作ろう。」みたいな感じがいいと思うんだが…。う〜ん、オレのセンスもイマイチか…。 (^^;

原題は "Now Habit" で 1989 年に出版されているのだが、それが 2011 年の今でも、けして内容は古くない。いや、逆に景気の悪いニュースばかりで閉塞感のある現代にこそ、より一層の価値があるような気がする。

やらなければならないことは山ほどあるのに、ついつい後回しにして、現実逃避してしまう…なんてことは誰にでもあることだろう。なんとかすぐにやるクセを付けねば…と思いつつ、ライフハック的なテクニックを駆使するも、しばらくすると元の現実逃避習慣に戻ったり…。 (><) それはなぜか? 根本原因を取り除かずに、上っ面だけ取り繕っているから…かもしれない。では、根本原因とは何か? それは、 "恐れ" だ。何かをした結果、失敗するかもしれないし、能力不足が露呈してしまうかもしれないし、うまく行っても次にはもっと大きな失敗のリスクが待っているかもしれない…などなど。そんな "恐れ" が前に進もうとする足を竦ませるのだと著者は言う。

本書は、著者が臨床の現場で蓄積した、そのあたりの心理分析と、克服する術をまとめた一冊。

時折、セルフコントロールを失う自覚症状があるオレとしては、この本は大いに役に立った。まだ、書かれていることのすべてを自分の中に取り入れられてはいないし、心を誤摩化してコントロールしているのも自覚しているが、本書を手元に置いて、慌てずに少しずつ、体の中に通してゆきたいと思っている。

戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット

戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット

自分のグズな傾向に焦りを感じてたり、そのストレスで痩せちゃったり、太っちゃったり、禿げちゃったり…。朝、会社に行くのが嫌だったり、ついつい公園でボーっとしてしまったり、飲み屋でグチグチ言っちゃったり…な人たちに。