フェイスブック 若き天才の野望

「今や、中国、インドに次ぐ Facebook 。その激動の歴史がギッシリ。」
ザッカーバーグを中心に、ユーザー、投資家、マイクロソフト、グーグル、そして仲間の開発者たちの間に起こった出来事を一冊にまとめた本書。TechCrunch (フリーランス?) の記者であるデビッド・カークパトリック氏がインタビューを繰り返して、外側から、内側から、 Facebook の赤裸々な実態を露にしてゆく。

映画「ソーシャルネットワーク」が公開されたが、公開前あたりから書店に平積みされていたので、てっきり原作本だと思って買ってみたら、こっちは原作本ではなかったとゆー罠にかかってしまったのだが、読み応えは十分。時代をときめく寵児を客観的に見た等身大の姿がしっかりと描かれている。とっても分厚い本で、文字数も多いので、読むのに時間がかかってしまったが…。

まだ、日本語化されていない頃から Facebook のアカウントは持っていたが、あまり使い方が分からず放置していた。それが本書を読んで、 Facebook の成長の歴史を追体験し、その背景思想のようなモノをうっすらと理解した途端に俄然興味が湧いて、今は Facebook の中を彷徨っていたりする。「なるほど、世界のインフラになる訳だ、これは。」と思うに至った感じだ。

3 年ぐらい前だったと思うが、実は「時代は Facebook にあり。」などとゆーのを mixi の日記に書いてたりもする。当時は MySpace が圧倒的に有利だったのだが、どちらも日本では、まったく知名度がなく、あまり情報がなかった。そんな中であったにも関わらず、匂いとしか表現できないような何かを Facebook は醸し出していたのかもしれない。

本書を読むと分かるが、若いのにも関わらず、鉄の意思を貫き通し、ここまで Facebook を育て上げたザッカーバーグのハートの強さには、驚きを隠せない。途中、何度も揺れ動き、苦悩したに違いない。途中で心が折れていたら、今とは違った Facebook になっていたことだろう。どちらが良かったのか、それを検証する術はない。だが、今の Facebook を作り上げたことは、とにかく偉業だと思うし、その偉業はまだ道半ばでもある。誰も作ったことのない世界をまたがるソーシャルネットワーク前人未到の領域で、彼らが遭遇する問題には答えが用意されていない。彼らが道とルールをトライ & エラーで作ってゆく。

創造主。そう表現してもいいかもしれない彼らの動向に、これからも目が離せそうにない。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)