iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか?
「試しに iPhone でぜんぶ読んでみた。想像したより快適だった。」
iPad の日本発売が近付き、電子書籍に興味津々の今日この頃。すべての音楽を持ち歩けるようになった iPod に続き、すべての書籍を持ち歩けるようになるハズの iPad 。日本の住宅事情を考えると、本棚のスペースを生活空間にできる日がとっても待ち遠しいが、 本書は iPhone でも読めるように、理想書店版と iPhone App 版が発売されている。
小さな iPhone で読むのはどんなもんかと思ったが、いつもポケットに入っている iPhone だから、気付いた時にさっと取出して、すぐに読めるし、アプリの操作性も気持ち良く、快適に読めた。
トレンドウォッチャー (Apple ウォッチャー?) 林信行が書くのは、時代の変化だ。 iPhone とツイッターをとっかかりに、 Google や SNS にも触れ、今の世の中で起こっている変化を綴っている。登場するキーワードは "マイクロ化", "永遠のベータ", "原型", "時間軸", "親密軸", "空間軸" といったところ。
中でも私の注目は、コンテンツの "マイクロ化" だ。丁度、参加しているコミュニティ "プログラマーズカフェ" や私の会社 "デジノ株式会社" (というか、私自身か…) が、コンテンツがバラバラに散らばっていて、効果的な状態になっていないという問題があると感じていたからだ。
コンテンツのマイクロ化が進む中、バラバラに散らばっているコンテンツを統合することは、時代にそぐわないのではないだろうか? しかし、分散したコンテンツでは力は弱い。さてさて、どーしたもんか…と、そんなことをしばらく考えていたのだが、"マイクロ化" は "散乱化" とは別の話だということに気付いた。バラバラにして小さく再利用することができることが大切なのであって、バラバラに置くことはまったくもってナンセンス。当たり前と言えば当たり前か…。
ずいぶん昔、プログラムについてブログを書いたことがある。"サブルーチン化 > 構造化 > オブジェクト指向の流れは、どうバラバラにして、どうまとめるのか、その整理方法の進化である。" と。 "マイクロ化" も "パッケージ化" も大事なことであると、プログラムに関しては早くに気付いていたのに、その気付きを他でうまく使えていなかった。本書は、そのことに気付かせてくれた。
これから起こる書籍の電子化は、そんな気付きの機会を今以上に増やしてくれるに違いない。
- 作者: 林信行
- 出版社/メーカー: アスペクト
- 発売日: 2010/04/26
- メディア: 単行本
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