メイキング・オブ・ピクサー

「トップブランドの一つ "ピクサー" も、順風満帆ではなかったのね。」
3D CGA の代名詞と言っても過言ではないピクサー社。Apple 社を追われたスティーブ・ジョブズ氏が買った当初は、ハードウェアメーカーとしての成功路線を狙っていたそうな。Apple 製品を上回るモノとして、"すべてのコンピューターで、容易く 3D を動かせるようになる" 未来を思い描いていたようだ。やはり、コンピューター製造 & 販売業に未練があったのだろうと思わずにはいられない。

んが…。経営は芳しくなく、息も絶え絶えになりながら、高級ハードウェア、高級 3D ソフトウェアの販売、CM 作成などなど…を手がけ、なんとか生き延びつつ、ついにはトイ・ストーリーで大ブレイクし、押しも押されぬ 3D アニメ会社となり、ディズニーが高額で買い取って、今に至る。

ピクサーの公式の歴史から抹消されたことまで、赤裸々に歴史を綴った本書。経営陣と現場との軋轢、物語の誕生までの紆余曲折、訴訟や競合との競争などなど、ピクサーの生い立ちそのものが、ピクサー作品になりそうなドラマに満ちている。

メイキング・オブ・ピクサー―創造力をつくった人々