12歳までにかならず教えたいお金のこと

「お金は大切。だけど、うーむ…。微妙なラインだ。」
「マネーにもマナーを」ぢゃないけれど、お金の教育はとても大切なことだとつくづく思う。大人にも、子どもにも…ね。

本書はそんなお金の教育の一つとして、大切なことを書いている。それは、コントロールすること。小学生に教えるなら、このぐらいが妥当なのかもしれない…とは思いつつも、著者がファイナンシャルプランナーらしいのに、どーも「主婦の財布感覚」っぽい感じがするのが気になる。極論すれば「小遣い帳をつけなさい」ってゆーところが本書の範囲で、家計簿的なのだ。それはそれで大切なことだし、本書の通りだと思うのだが、最後の「13 歳になったらさせたいこと」に、銀行口座や証券口座を作るってのが出てくる。そーゆー話なら、「ちょっと待った!」と言いたい。

お金の In と Out をコントロールすることはもちろん大切なのだが、コントロールした結果、どのような状態になったのか? を把握する "考え方" こそが、抜本的に重要なことだと思うのだ。すなわち、バランスシートだ。小学生には少し早い気もするけれども、13 歳から証券口座を…ってことなら、先にバランスシートだろう。

本書は、分かりやすくて、受け入れやすい良書であるのだが、以上のような価値観を持つ私からすると、"国語 算数 理科 しごと" や "弾言"、"世界一受けたいお金の授業" あたりに軍配が上がる。

"12歳までにかならず教えたいお金のこと" を読了後は、ぜひ、ここまで踏み込んで欲しい。最初は分からないかもしれないけれども、そのうち、バランスシートが世紀の大発明だと感動する日が必ず訪れるはずだから。

12歳までにかならず教えたいお金のこと―お金に振り回されない大人になる!

12歳までにかならず教えたいお金のこと―お金に振り回されない大人になる!