大いなる陰謀

「要するに、共和党批判映画なのね。」
9.11 以降の話題を扱ったリアルな映画だけに、民主党プロパガンダのように思える本作品。アメリカでの公開は 2007 年末だったらしいので、当たらずとも遠からずか…。こーゆー目線で映画を観るようになった自分を振り返って、嫌な大人 (社会背景はともかく、政治的駆引きを考えちゃうところ) になっちまったなぁ…などと、少しばかり思ったり。

原題は "Lions for Lambs"。軽く調べたところ、ライオンは勇敢な兵士のことで、羊は臆病な (バカな?) 指揮官を表すようだ。「はて? どのあたりが "陰謀" なんだろう?」と、疑問に思っていたのだが、邦題はマーケティング戦略として名付けられただけみたい。

さて、映画の話。私の観たところ、テーマは三つだ。

一つ目は共和党批判。これは説明できるほどの水準ではないので、詳細はパス。

二つ目はジャーナリズムの正義。プロパガンダとして利用されるのを受入れるべきなのか? それとも正義と信じる道を貫くのか? ここは、今は興味の対象ぢゃないので、詳細はパス。

三つ目は、これが最重要テーマなんぢゃないかと私なんかは思うんだが、小飼弾氏の表現を借りるなら「自分の手を動かせ」ってヤツだ。

# 隗より始めよ…は、ちょっと違うかな?

分かった風な物言いで政治批判をして「だから誰がやっても同じだよ。政治なんて興味ないね。」ってな態度で、何もしないことのエクスキューズを偉そうに言う、私みたいなヤツがたくさんいるのが現代だと思う。:-P 斜に構えてモノゴトを観るのがカッコいいとゆー風潮があって、自分は当事者ぢゃなくって、傍観者だとゆー立場を取る訳だが…。

ロバート・レッドフォード演じるマレー教授は、優秀な学生のトッドに言う。「少なくとも彼らは志願した。」と。"彼ら" ってのは、トッド同様に優秀な学生なんだけれども、経済的に恵まれない環境 (黒人とメキシコ系アメリカン人) にいた点がトッドとは違うところ。彼らは無意味な戦争だと知りつつも、未来を変えるために志願兵を選び、マレー教授の説得にも関わらず、翻意すること無く戦地に赴いたのだ。

ロバート・レッドフォードがメガホンを取りつつ、自らがマレー教授を演じたところからして、共和党批判よりも、こっちが訴えかけたかったんぢゃないかと思う。真意は分からないが…。

「君の話はよく分かった。君は頭がいいねぇ〜。で、君は何をするんだい?」

そんな言葉で、頭をハンマーで殴られたような気がした。