アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない

「タイトルは煽りにしても…。こりゃぁ、ちょっと笑えないなぁ…。」
ジョークってゆーより、シニカルってやつかな。

ハリウッド映画に美男美女ばかりが出ているからといって、美男美女しかいない訳ぢゃないのは分かっているけど、今までに観た映画や本から類推するアメリカってのも、いいところしか観てなかったんだなぁ…と思わされた一冊。なんつーか…。社会全体がとっても合理的に成立してると思っていたんだよなぁ…。この国よりは。

もちろん桃源郷なんかぢゃないのは分かってる。だけど、多民族国家として、日本人が想像できないぐらいの衝突を繰り返してきた歴史があり、そして IT を牽引し続けている現状から考えると、合理的でないものは淘汰されてきたハズだからだ。

なのに、政教分離すら怪しかったり、進化論を教えるだの、教えないだのが議論されてたりもして、ものすごく進歩的な社会と、そーでない社会とが、玉石混淆となっているのがアメリカってゆー国なんだねぇ…。

# そーいえば、[空飛ぶスパゲッティ・モンスター教] なんてのもあったなぁ…。

本書のコラムに描かれるシニカルなアメリカは、ちょっと笑えない。内容は多彩でとってもおもしろいんだ。いろんな映画が登場して、その時の社会背景なんかが書かれてて、「おぉ〜、あの映画はそーゆーことだったのかぁ…」なーんてことが分かったりして、一気に読み切ってしまったほど。だけど、それの意味する現実が、ちょっと怖い気もするんだよねぇ…。ま、それでも、この国よりちょっとだけマシなんぢゃないかと思ったりもするんだけどさ。

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)