デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座

「ちと漠然としている感はあるが、こーゆー視点が必要なのね。」
最初に "デューデリジェンス" なる言葉を聞いたのは、非上場企業に入社する際に、どうやって株価算定をするのかを訊いた時だった。「世の中にはデューデリっちゅーもんがあってやなぁ…かくかくしかじか…。」

んが、今、調べてみると "主に投資用不動産の取引を行うときや、企業が他社の吸収合併(M&A)や事業再編を行うときに、事前に詳細に調査を行うことを指して使われている" とある。私が理解した意味と少し違うような気もするが、M&A するなら企業価値を明らかにするだろうし、その価値を表すのが株価だよなぁ…と、納得しておくことにする。

参考:404エラー アクセスしようとしたページが見つかりません - WISDOM

で、本書。

B/S だの P/L だのってのは過去の結果を表すモノであって、未来がどうなるかを表すモノではない。従って、本当の企業価値を評価するには不十分な訳だ。本書は "事業構造"、"社会動向"、"資本政策" などの九つの視点による総合分析をケーススタディで教えてくれる。さすがに M&A に携わり、数多くの企業分析を経験した著者の視点は違う。フツーの技術屋 (…おっと、今はフツーの中間管理職だった…) とは見えているモノが違い過ぎる。任天堂の資産の 80% が現金なのかどうかなんて、生まれてから今日まで気にしたことなかったしなぁ…。:-P

「この会社の実質価値は xxxx 億円となる。」みたいな、ある程度の定量的な評価ができるのかと期待して読んでいたのだが、そんなことができれば誰も苦労しない。なので、定性的な内容になるのは当然のこと。大事なのは、本書に載っていない企業を自ら評価できる視点を身に付けることであり、分かりやすいプレゼン資料のような図が豊富な本書は、実に良くまとまっていて教育的だ。このケーススタディを参考にしながら実践を積んでゆけば、投資で一儲けできるんぢゃなかろうかと、ほくそ笑んでいるのだが…。

デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座

デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座