国見発 サッカーで「人」を育てる

「俳優、名古屋章氏にそっくりな有名監督の著書。」
高校サッカーの強豪校、国見高校の監督である小嶺忠敏著の本書。数年前、セクシーフットボールとゆーキャッチコピーで旋風を巻き起こした野洲高校の監督、山本佳司氏が一躍時の人になったが、高校サッカーの監督といえば、実績抜群の小嶺氏の方が抜群の知名度を誇るだろう。さてさて、その監督はいったいどんな指導をしているのだろうか?

日本サッカーと「世界基準」 - Tommy Heartbeat 2nd でも、根性論に異議を唱えたが、基本的に努力とか根性とか…については、あまり快く思っていない私としては、小嶺氏の方針もところどころ苦手なところがある。

ただし、小嶺氏は、口先だけ偉そうなタイプではなく、サッカーのために人生を捧げているところがすごい。練習方法から投げかける言葉まで、工夫を凝らしておられるようだし、土日はほとんど練習試合だし、正月を家で過ごしたこともないそうな。部員を乗せるマイクロバスを運転できるように大型免許を取っちゃうし、さらに、サッカー部員の寮の食事を奥さんが作ってらっしゃったりと、ご本人だけでなく、家族まで巻き込んでサッカーに情熱を注いでおられる。

そこまで生徒の人生を背負うのは、生徒にとっても重すぎだろう…と思わないでもないが、これだけ真剣に教育に情熱を注げるのは尊敬に値する。輝かしい実績は、指導方法によるものよりも、小嶺氏の真摯な姿勢がもたらしたものと言えるかも知れない。口先だけで方法論を唱えても、きっと、生徒たちを導くことはできないだろうし。

野洲スタイル

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こーゆー本を読むと、高校サッカーを一層楽しめるようになるのがいいね。