臆病者のための株入門
「以前に読んだけど、再読してみた。改めて、いい本だわ。」
先月末に読んだ "マネーロンダリング入門 - Tommy Heartbeat 2nd" が橘玲氏の著作だったのだが、著者の名前で思い出したのが本書。去年、読んだはずなのだが、ブログに記事がなかったので改めて読んでみた。去年から株運用を始めて、少しは金融リテラシーがレベルアップした (かもしれない) 今なら、新たな発見があるに違いないとゆー期待もあった。
年明けに、円高 & 株安で泣きそうになってた時、友だちが「日本の市場にリスクがある状況なんだから、ヘッジするためには海外に投資しておかないと。」とアドバイスをくれていた。預貯金と保険しか知らず、金融リテラシーの低い一般人の私に海外投資などとゆー発想があるはずもなく、「おぉ〜、リスクヘッジとはそーゆーことだったのか〜!」と、目から鱗な話だった。んが、海外に投資するとなると、「必ず儲かる中国株!」みたいな本が並んでいて、胡散臭い雰囲気が立ち込めてるし、言語の壁が立ちはだかる中、まっとうな情報にたどり着くのはおよそ不可能に思える。"オマハの賢人" バフェット氏も海外投資にはほとんど手を出さないそうだし、はてさてどーしたものか…と逡巡していた。そもそもどーやって海外の市場にアクセスすればいいのかが分からないのも、ちょっとした参入障壁だ。
本書に登場する "トーシロー投資法" でも、海外投資の重要性を説く。局所的にはマイナスがあっても、経済は発展を続けるものだから、世界市場 (日本も含む) に投資するのがもっとも合理的だと。具体的な内容は本書のキモなので割愛するとして、"まっとうな情報にたどり着く" 必要もないシンプルな投資法は、合理的で、まさに "臆病者のための株入門" に相応しい。あとは海外市場へのアクセス方法だけ解決すれば良さそうだ。
あとがきによると、著者自身はもっとも合理的なはずの "トーシロー投資法" は実践していないとのこと。「人には正しくないことをする自由もある」とあるのが印象深い。マネーゲームの世界で何を勝利とするかは人それぞれ。長期安定をよしとするか、リスクを負って短期で勝負するか、選択するのは各自の判断にゆだねられる訳だ。
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 新書
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