そして夜は甦る

「いや〜、ハードボイルドは渋いねぇ〜。」
ハードボイルド小説ってのを読んだ記憶がない。たぶん、初めて読んだと思うのだが、この世界観は渋いねぇ〜。男前とか二枚目ってゆーとは違うんだよなぁ〜。煙草の煙とバーボンが似合う「大人の男」な雰囲気がプンプン漂う。

なんと言ってもセリフが渋い。軽薄な言葉も、理屈っぽい言い回しも出てこない。ニヒルってゆーのだろうか。一つ一つの言葉に少しばかり重みがある。そして、時には拳銃から放たれた弾丸のようにするどい。いや〜、かっこいいわ。

主人公である沢崎への依頼は、失踪したルポライターの捜索。…が、それだけでは終わるはずもなく、絡み合った陰謀が少しずつ暴かれてゆく。全貌が明らかになるラストシーンまで目が離せない。

著者の原りょう氏は元ジャズピアニストで、これが処女作とのこと。なかなか珍しい経歴だけど、そーいえば読んでいて退屈しないリズムだったような気がする。小説と音楽は何か通じるモノがあるのかもしれない。

そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))

そして夜は甦る (ハヤカワ文庫 JA (501))

うーむ…。タバコを両切りのピースに換えようかしら? :-P …と、すっかりハードボイルドな雰囲気に酔ってしまった。