白い仮説・黒い仮説

インパクトのある表紙で、思わず手に取ってしまった…。」
404 Blog Not Found:ニセ科学対策の決定版 - 書評 - 白い仮説 黒い仮説 で取り上げられていた記憶があり、amazon のショッピングカートに入れておいたのだが、書店で見かけて衝動買いしてしまった本書。

このタイトルで、この表紙。何やら怪しげな魔術でも登場しそうな雰囲気が漂うも、確か科学モノだったハズだ。とすると、エセ科学バッシングか? と期待したのだが、どーやら著者は物腰の柔らかい方らしく、白黒をはっきりさせずにグレーゾーンでどのぐらい白 (あるいは黒) に近いかを表現するスタイルを取っている。そーゆー意味では少々期待はずれなのだが、なんでもストレートに表現すればいいとゆーものでもないし、また、確かに断言できるほど白黒がはっきりしている訳ではない (はっきりしてれば仮説ではないからね) から、こーゆー優しい表現が一般の人にはちょうどいいのかもしれない。

話題は多岐に渡る。マイナスイオンや血液別性格分類、ギャンブルや視聴率、進化論やブラックホールなどなど盛りだくさん。テーマを絞ってズバッと斬るでなく、世間の話題を手広く扱っているのは、それだけ多くの一般市民に伝えたいとゆーことなのだろう。

本書が一風変わっているのは、「私はこのぐらいグレーだと*思う*。」とゆー、あくまでも主観であることを明確にしたスタイルで結論を書いていること。フツー、著者の主観であることをわざわざ表現したりしない。どんな主張をしても、著者の主観であることは当然のことだし、"思う" と表現してしまうと、主張がかなり弱まってしまうからだ。それをあえて "思う" 調にしたのは、著者の本当の目的は、それぞれの仮説の白度、黒度を明らかにすることではなく、読者がエセ科学に騙されたりしないように、自分で判断できるようになって欲しいとゆーことなのだろう。

科学的なモノの見方 ("専門的な" ではない。ごく常識的な、だ) を知るための入門書として、

白い仮説・黒い仮説

白い仮説・黒い仮説