Blue Ray

「Blue Ray と HD DVD の次世代メディア戦争は、どうやら Blue Ray の勝利みたいだね。」

ある男性会社員(58)は「早い時期の撤退はメーカーとしては賢いのだろうが、撤退するのなら、HD―DVDを売り続けるのは客に損をさせるようなもの。すでに買った客への責任も考えて欲しい」と話した。

ん? そーなのか? 機器が使えなくなる訳ではないのだから、すでに買った客へのメーカーの責任は

HD―DVDレコーダーは製造終了後も8年間はメーカーに部品の取り置きがあり、修理は可能。

とりあえず、ここまでだろう。まあ、録画機器として使えるように、メディアの製造はしばらく続けてもらわないと困るだろうから、そのあたりまでは "責任" の範疇に含まれるかもしれないが、量産効果で Blue-Ray のメディアの方が圧倒的に安くなってゆくだろうし、本体の値段も下がってゆくだろうから、8 年も待つことなく Blue Ray へ乗り換えた方が得になる乗換分岐点が訪れるはず。それが運命。まだ、フロッピーディスクが主流だった頃、2D のメディアよりも容量の大きな 2DD や 2HD のメディアがどんどん値下がりしていったのを思い出す。今はそーゆー時代なんだな。

そもそも、規格競争になっているのは周知の事実なんだから、その状況で HD DVD を選択したのは購入者がリスクテイクしたってこと。VHS とベータの争いみたいになることは分かっていたんだから、「すでに買った客への責任」も何もないだろうに…と、どちらかと言えばマイノリティで、その上、どちらかと言えばアーリーアダプターで、これまでにけっこう泣いて来た私は思うのだ。もちろん、すでに HD DVD を買った消費者が泣いて喜ぶアイデアをメーカーが用意して、アーリーアダプターをロイヤルカスタマーにしてしまうこともできるかもしれない。でも、それは "責任" などとゆー無粋な単語とは別次元の話だ。

HD―DVDを売り続けるのは客に損をさせるようなもの

ってのは、いったいなんなんだろうねぇ…。今の状況で、HD DVD を買う人は納得ずくだろう? Blue-Ray の値段が下がるまで、叩き売りされる (てる?) 機器で録画しておくとか、後で高値でオークションでさばくとか…。損をすると思ってるなら買わなきゃいいんだから、何がどー損なのか分からない。まあ、無知な人を相手に騙して在庫をさばくような商売をしてるところもあるかもしれないが、そんなのは小売店と消費者の問題だ。

研究開発費も回収できないし、在庫リスクも高まっているし、もっとも厳しい状況におかれているのはメーカーなんだから、いったい何を言ってるんだか…。変な方向に消費者を煽ってどーする? …などと思ってしまう記事だった。

さて、この件。一気に状況が傾いたのは、映像を配給する会社が次々と Blue Ray 支持を決めたのが大きい訳だけど、どっちの規格が安く作れるかとか、どっちが高機能かぢゃなくって、コンテンツの支配力が大きいわけだな。

彼らは、すでに映像を次世代メディアで配給しているが、企画競争による消費者の買い控えで、売り上げが伸び悩んでいたり、在庫が滞っていたりするに違いない。配給関係各社にしてみれば、いずれネットレンタル、ネット販売が主流になることは分かっているが、その前に次世代メディアでワンクール回して、稼いでおきたいところなのだ。んが、規格競争の決着をメーカーと消費者に任せていては、ネット配信の流れに飲み込まれて、次世代メディアでワンクール稼ぐ分がとりっぱぐれてしまう。どこかのメーカーの肩を持つつもりはないが、規格競争が長引いて買い控えが続くと、ネット配信の流れに飲み込まれて、自分たちの稼ぎが減ってしまう。だから、さっさと決着をつけたかったわけだな。

彼らは自分たちがどんな力を持っていて、それをいつ行使するのか、よくわきまえている。早過ぎては高値で流通しないし、遅過ぎてはネットに飲み込まれるし、ベストなタイミングで Blue Ray についたって訳だ。