2日で人生が変わる「箱」の法則

「これは、世界中のすべての人の教科書かもしれない。」
痴話喧嘩から戦争まで、その原因と解決策を物語調で語った本書。ここに書かれていることは、生きてゆく上で、もっとも大切なことではないだろうか。

"箱" と表現された、人間関係が悪化する循環がどのように醸成されてゆくのか、そしてその循環を断ち切るために、心をどう成長させるのかを、物語を通して読者も疑似体験してゆく。アカデミックな論文では分かりにくい話だが、物語なので、とても受入れやすい。登場するピラミッドの法則は、違う表現で他の本にも登場する。例えば、セールスの本で「商品を売るんぢゃない。自分を売るんだ!」みたいなのも、ずいぶん形を変えているが、その本質は本書のピラミッドの法則である。

本書に登場する経験談の中東の話は、中東の歴史に疎い私には、正直なところ、理解できたとは言えない。本を読めばおおよそは想像できるが、残念ながら想像の域を出ない。自分の生まれる前から続く争いの感覚。平和な日本に育った私が、それを理解できると安易に言ってしまうのは、あまりにもおこがましいことだろうし、ここはこだわらなくてもいいと思いたい。…が、まあ、日本人に適した物語であれば、より一層、分かりやすい、心に響くものとなったものであろうとは思っている。

二日で人生が変わるかどうかは分からないが、本書が強く訴えかける "心の平和" を、世界中の人々が身に付ける日を願っている。

2日で人生が変わる「箱」の法則

2日で人生が変わる「箱」の法則

いい本なんだけどなぁ…。やっぱり、外人の名前 (特に中東だし) と歴史をベースしている点で、心に染込むまでに少し時間がかかってしまう気がする。日本人が日本人のために書いた本が出るのが、一番だろうなぁ…。