もう一度会いたい

「会ってどうする? それが問題だ。」

「もう一度会いたい―思い出の人、さがします」とロマンティックなタイトルと、表紙のイラストに惹かれて手にした本書。その内容は、探偵・興信所|株式会社初恋の人探します社-大阪の探偵ネット の社長が、その活動を綴ったドキュメンタリー。

期待したほどの純愛ロマンスはなかったが、お気に入りは "六十年目の夏、もう一度会いたい" とタイトルのついたエピソード。漫画 "マスターキートン" にも似たようなエピソードがあったよなぁ…と思い出しながら、現実の切なさに少しばかり目頭が熱くなった。

"初恋の人探します社" と変わった社名だが、どうやら所謂 "興信所" ってところらしい。興信所と言えば、その仕事内容は浮気調査が多いと聞く。ここの社長は、依頼された最初に「浮気の事実があったとしたらどうしますか?」と訊くそうな。別れたくないなら、調査などせずに信じてあげなさいと助言なさるとのこと。それは、著者の相談者としての優しさの現れなのだが、本書を読んで、彼女が会社を立ち上げた熱意を感じてみてほしい。

もう一度会いたい―思い出の人、さがします

もう一度会いたい―思い出の人、さがします

しかし、思い切った社名だ。領収書をもらうとき、ちょっと恥ずかしいかもしれない。:-P