環境問題はなぜウソがまかり通るのか

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

環境問題に関係のあるところでシステム開発に従事しているせいか、書店で平積みされていた本書が気になって、移動中の新幹線で読んでみたところ、常識がひっくり返されるほどの衝撃を受けてしまった。

  • 京都議定書ぐらいでは地球温暖化は食い止められない。
  • ダイオキシンはいかにして史上最悪の猛毒に仕立て上げられたか。
  • 官製リサイクル運動が隠してきた非効率性と利益誘導の実態とは?

著者は、リサイクルなどの環境問題の実態を明るみに出したかったのだろうが、民主主義による意思決定の歪み、資本主義による大量消費、ジャーナリズムによる煽動などへの憤りからか、論理の飛躍がところどころに見られ、全体として少し説得力が弱まってしまっている。一冊の本にまとめるにしても、章立てを分けておかないと、せっかくの訴えかけが誤解されかねない。

さて、環境問題。よかれと思ってやっていることが、実際には効果のないことだったり、逆効果だったりすることはよくある。"幸福の手紙" とかね。環境問題の実態も、どうやらそんな傾向があるようだ。

本書に書かれていることがどれだけ真実を表しているのか、厳密なところは分からないが、ひとまずは多くの人が共通認識として持ってほしいところだ。「どっちがホントなの?」「んぢゃぁ、どうすればいいのさ?」と話題に上れば、何かが変わるかもしれない。