男脳、女脳
"情熱大陸 + P" と云うポッドキャスト番組がある。内容はショートコラムの朗読なんだけど、高価な録音設備を使っているのか、さすがにクオリティが高い。一度、お試しあれ。
さて、現在の最新号が "男脳、女脳" なだけれども…。うーむ。
脳の活動を画像で見て (CT?)、統計を見る限りにおいて、男性と女性で違うと云う話。まあ、これは事実として認めるとして、なぜ違うのかが気になるところだ。"情熱大陸+P" ではこの点に触れていないけれども、一般的には遺伝的なものと考えられているのではないだろうか?
子育てをしてみて分かったことだが、"男の子なら泣くんぢゃない"、"男の子は外で遊びなさい"、"強いね。男らしいね。"、"やっぱり女の子は早熟だね。"、"やっぱり女の子はしっかりしてるね。" こんな言葉に囲まれて子ども達は成長してゆく。うちはこういうことはあまり言わないのだが、親がいくら気をつけていても、祖父母や友人、ご近所の皆さんや幼稚園で触れる情報までコントロールできるはずもなく、日本社会、日本の文化がそうなってる以上、男は男らしく、女は女らしくと云う価値観に囲まれて育ってゆくことになる。
…おっと、うちは別に中性的な教育をしたい訳ではないので、その点は誤解なきよう…。ただ、できるだけ根拠のおかしなことを押し付けるような教育をしないように気をつけているだけ。男だって痛けりゃ泣くし、性別に関係なく子どもは外で遊んだ方がいいんだってこと。
話を戻して…。言葉に性別が入らないものは分かり難いが、傾向として女の子は容姿を褒められることが多く、男の子は行動を褒められることが多いようだ。怒られるのはその逆で、女の子だとお転婆が過ぎると怒られるし、男の子は意気地なしだと怒られたりする。幼児は幼児なりに、児童は児童なりに、生徒は生徒なりに、学生は学生なりに、青年は青年なりに、中年は中年なりに…そういう環境に囲まれている。なかなか気付き難いことだけれども。
最初は入ってくる情報が違うところから始まり、だんだんと自分で情報を選択するようになってゆくのだが、すでに偏りのある情報から構築された価値観に基づいて選択するのだから、どちらかと言えば価値観の違いは広がってゆくことになる。それが 5 年、10 年、20、30 年、40 年…も続けば、反応する対象が違ってくるのも当然のことだ。脳が言語的、図形的など情報の種類によって違う反応を示すのであれば、そりゃぁ、脳の活動も違ってくるに決まってる。
神戸港から東へ向かって漕ぎだした二艘の船が、風や海流の違いで、カナダに到着したり、ペルーに到着したりするようなものだな。おぉぉぉ、赤道から向こうの南半球が右脳で、北半球が左脳みたいで、ちょうどいい比喩だ! :-)
長々と書いたけれども、要するに男脳、女脳の違いはあるけれど、それは性差や進化の過程によるものではなく、環境差によるものだと主張したいだけのことだ。ただ、そこにこだわったところで、男は話を聞かないし、女は地図が読めないと云う点では、なんら変わらないのが頭の痛いところだ。:-P
- 作者: アラン・ピーズ,バーバラ・ピーズ,藤井留美
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