★★★☆☆ "オシムの言葉"

「サッカーを題材にした歴史の教科書と言えるかもしれない。」

J リーグの中堅チーム "ジェフユナイテッド市原・千葉" の名将 "イビチャ・オシム" の本と云うことで、立ち寄った書店で衝動買い。ずっと、サッカー (フットサル) 理論の本を読みたいと思っているのだが、書店で見かけることがなく、論理的な理解の助けのために、語録や練習方法の本などを読んでる。アーセン・ベンゲル氏や山本昌邦氏の本があったりするが、2005 年のジェフの躍進を考えると、イビチャ・オシム氏の本を買わないわけにはいかなかった。

オシム監督の言葉の背景を追求しようとした著者は、その原点を激動の東ヨーロッパに求めている。恥ずかしながら不勉強で、東ヨーロッパのできごとをほとんど知らず、先日の W 杯組み合わせ発表で "セルビア・モンテネグロ" の名を初めて知ったぐらいなので、本書の内容にはとても驚かされた。その風貌や言動が特異な雰囲気を醸し出しているが、まさかこんな歴史があったとは…。

サッカーの本とすると少し物足りないのだが、これは "イビチャ・オシム" の本なのだ。サッカーの監督としてだけでなく、一人の人間としての "イビチャ・オシム" を尊敬するそのきっかけとなるに違いない。