組織
「始めて見た時、異世界に来た気がした。」
"http://www.asahi.com/national/update/0513/TKY200505130229.html"
少し大きめの会社になると、"社内報" なるものを発行していることが珍しくないようだが、初めて見せてもらった時にかなり驚いたのを覚えている。「な、な、何これ? これが業務上、必要なものとは思えないが、なんのために発行しているのだ???」と。
思うに順番が違う気がする。まず、人を集める。次に和を作る。で、何かをする。何かをする部分が最後になっているから、和を乱してまで改革を推し進めたりすることがない。和を乱さないように根回しし、根回しがうまくいかないようなら、何かをすることを諦める訳だ。社内報なるものの価値も、和に関係するのだろうな。和を乱してまで儲けたいとは思わないのだろうし、共存こそが組織の目的だと云うことなのだろう、きっと。よく分からないけれど…。
私は、和は目的ではなく結果だと思っている。同じ目的を持って活動している中で、共有する時間や経験がきずなを深めるのだろうと。目的への到達こそが第一義であり、他は手段や結果に過ぎない。このあたりの価値観の違いが、世の中で起こっていることを理解できない原因のような気がする。
浦沢直樹の "Master キートン" の中に、こんなセリフが出てくる。*1
私は数年前、日本に旅行したことがある。
あの国民は難しいよ。外国で自分は英国人だと意識させられるのは珍しくないが、あそこは違う。
自分が日本人ではないと、強く思い知らされるんだ。
組織でも同じだ。中にいると分からないのかもしれないし、差別しているつもりもないのだろう。だけど、自分が固定費 (人件費) の人間でないことは、よく思い知らされる。そして、他の人とすれ違った時にも、なんとなく分かってしまう。「こっちの人は固定費の人だけど、あっちの人は違うなぁ…。」と。
- 作者: 勝鹿北星
- 出版社/メーカー: 小学館
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