サッカー戦術ルネッサンス

「"戦術" をキーワードに、著名人にインタビューした本。著名人の思想に迫る!!」
著者の六川亨氏がインタビューしたのは、以下の 5 名。

  1. 湯浅健二氏 (サッカージャーナリスト)
  2. 山本昌邦氏 (サッカー解説者)
  3. 名良橋晃氏 (サッカー解説者)
  4. 原博実氏 (日本サッカー協会技術委員長[強化担当]・特任理事)
  5. 風間八宏氏 (筑波大学蹴球部監督・日本サッカー協会特任理事)

"戦術ルネッサンス" と題してはいるものの、全般的に、個人戦術にフォーカスしている印象を受けた。戦争のような大人数ならともかく、団体競技でありながらも、フィールドにはたった 11 人しかおらず、瞬間瞬間の各選手の判断が戦況を大きく左右する以上、個人戦術が重要なのは、当然と言えば当然か…。

もっとも興味深かったのは、風間八宏氏。解説者としてテレビで拝見しているが、物腰が穏やかな好人物だとは思っていた。しかし、そればかりでなく、プロサッカー選手だけにとどまらず、若手の育成までも含めた、既成概念にとらわれることのない、しっかりとした理論派らしい。

確かに、進歩の無い根性論を繰り返す解説者とは違う印象ではあったが、あまり強引に自己主張するシーンを見たことがなかったので、意外な側面を垣間みた感じだ。

全般的な本の印象とは、少しばかり戦術論のアカデミック寄りな内容を期待してたので、やや物足りなかったのが正直なところ。酒場トークのネタとしては、おもしろいかもしれない。

サッカー戦術ルネッサンス

サッカー戦術ルネッサンス