イスラム金融入門

サブプライム後の世界を席巻するのはイスラム金融なのだそうな。」
イスラム法で利子を禁じられている世界で、どうやって金融システムが成り立つのか? その仕組みと、現在の世界状況を解説した本書。

経済規模は、流通貨幣の量と回転量で決まるのだが、利子がダメなら融資する側にメリットがない訳で、そーすると、お金が円滑に回らないから、経済成長は鈍いに違いない…と思っていたのだが…。なるほど! そんなスキームで、利子に相当する利益を得る方法を作り上げたのね。:-)

著者の門倉氏は、BRICs 研究所代表だし、VISTA、MEDUSA、下半身経済などなど…我々一般人に馴染みの薄い経済世界を日の本に晒してくれる第一人者だが、その彼がこの本で取り上げたのが、2 時間で分かった気になれるイスラム金融の原理と仕組みな訳だ。

正直、イスラム文化圏は怖い印象が強く、気になるのはサッカーとオイルマネーぐらいで、私の人生で直接関わることはないだろうと思っているのだが、アメリカの経済危機が "日本の失われた 10 年より悪い*1" なんて言われてたりする中で、一方のイスラム金融は、グラミンフォンという奇跡 - Tommy Heartbeat 2nd を生み出したグラミン銀行ノーベル平和賞を受賞したりなんかして、明るくて無視できない存在だ。

この先、どーなるかなんて私には分からないし、やっぱり、自分の人生に影響することはないだとうとは思いつつも….。視野の隅っこには置いておこう。:-)

イスラム金融入門―世界マネーの新潮流 (幻冬舎新書)

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