舞姫 (テレプシコーラ)

バレリーナを目指す少女たちの葛藤の物語。これはなかなか…。」
勝間和代氏が http://pod.j-wave.co.jp/blog/booklovers/ で紹介していたので読んでみた。おもしろい…と表現するのは、やや不謹慎かもしれない。ハッピーエンドとは言えない衝撃的な結末だからだ。ただ、その結末こそが、バレリーナ世界の狭き門を目指す少女たちの象徴とも言えるのだが…。

バレリーナを目指す少女たちの競争、妬み、葛藤を描いた本作品。男性諸氏には分かりにくい世界だ。プロ野球選手やプロサッカー選手を目指す少年世界に近いようにも思えるが、評価基準に "美" とゆー主観的要素が入る度合いが大きいし、"未来と革新" を好む身としては "伝統と格式" ってのも抵抗がある。プリマになれるかどうかは、生まれた時から既に骨格で決まっているだとか、実は遺伝的肥満はプリマになれないとか、本人のどんな努力でもカバーできない条件があるってのも、私にはどーもねぇ〜。ま、プリマだけがバレリーナではないんだろうけど。

そんな世界だからこそ作れる美があるのだろう。頭上高く上げた足は美しく弧を描き、遠く指先まで伸ばした手が螺旋を作り、高く飛び跳ねて空に虹を描く。そこに魅せられる大人たちと少女たちのドラマ。