破裂

「医療裁判モノ。果たして針はあったのか?」
PPP (ピンピンポックリ) こそが理想の死。そんなプロパガンダを掲げて、実現を目指すのが厚生省の役人である佐久間。彼が目を付けたのが、副作用で心臓が破裂するペプタイド療法であり、その開発者である香村。その香村は、悲願であった教授戦を控え、直前の手術で痛恨のミスから患者を殺してしまい、医療過誤裁判を抱えてしまう。

PPP と医療裁判。この 2 本の話が並行して、絡み合って物語は展開してゆく。

医療関係だと、年末に読んだ チーム・バチスタの栄光 - Tommy Heartbeat 2nd もなかなか面白かったが、あっちは "Autopsy imaging" を世に知らしめるとゆー前向きな意図を持っていたのに比べ、"破裂" は役人や医療関係のドロドロした世界を描いた "白い巨塔" に近いモノで、読後はスッキリしないモノが残る。

世の中、綺麗事ではない。いろんな人がそれぞれの思惑で動いていて世の中は成り立っている。現実の嫌らしさに触れる前に、小説で肩ならしを…。:-P

破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)

破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)

破裂 下 (幻冬舎文庫 く 7-3)

破裂 下 (幻冬舎文庫 く 7-3)