金融商品にだまされるな!

「騙されないように気をつけよう。お金を持ってる人はね。:-)」
いろんな金融商品があるけれども、その仕組みを理解するのは、知識を持った専門家でないとなかなか難しいところだ。そのあたりを解説してくれているのが本書。

集めた貯金を誰かに貸して、その利鞘で稼ぐだけぢゃぁ、そんなに儲かんないんぢゃないの? …と思っていたが、なるほど、なるほど、こーゆー仕掛けで稼いでいる部分もあったんだねぇ…と、納得の一冊。この本があれば、金融業のビジネスモデルがおおよそ分かるんではなかろうか?

…が、それは読み方による。素直に読むと、金融業者は客を巧みに騙して暴利を貪る悪玉ってことが書かれていると思うんではないだろうか?「金融商品にだまされるな!」のタイトル通り、金融業を悪玉に仕立てて、商品のリスクと、金融業者の荒稼ぎ分をクローズアップして、必要以上に金融業者を悪者にしてる表現が目立つからねぇ…。

そんな本書だが、私にはちとしつこく感じた。理由は二つ。一つ目は、手元に 100 万円あったとして、年利 1% の差なんてたった 1 万円のことだ。年間でたった 1 万円のことに何を目くじら立てる事があるのか、どーもワタシには怒りに結びつかない。二つ目は、銀行だってボランティアぢゃないんだから、自分たちが儲かるような意思決定をするのは当然のこと。客の無知につけ込んだ商売をしているような表現があるけれども、自分でいろいろ学習するのはそれなりに時間がかかるし、情報を集めるには時間がかかるし、実際にリスクを負って自分で資産運用すると胃が痛くなる思いもする訳だから、そのあたりを肩代わりしてくれることを考えると、別に悪ってことはないだろう。

そのあたりを割り引いて読むと、金融業がどーゆー仕掛けで儲けているのか分かる良書だ。金融リテラシーは視野を広げてくれる力があるし、資産運用に手を出すのは早いにこしたことはないから、いいことしか書いてないパンフレットより、まずは本書を読まれたい。

金融商品にだまされるな!

金融商品にだまされるな!

でも、「あれダメ。これダメ。」は、正しいことが書いてあっても、進むべき道が分からないから、「こーしよー」が書いてある "お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)" の方がワタシは好きだ。:-)