裁判官の爆笑お言葉集

法曹界の人はこれで笑うのか?」
このタイトルはマーケティング上のものと思われるが、正直、あんまり笑えない。「科すべき刑は、死刑以外にあり得ない。」とは、付属池田小学校で事件を起こした宅間被告人に対するものだが、この裁判官の言葉のどこで笑えと言うのだろうか?。

判決以外の裁判官の言葉 (言ってしまえば蛇足かもしれない) と、見開き毎に事件や判決に至った概要なんかをまとめた本書。ゴシップとして取り上げられるような事件も多数、取り上げられているし、裁判所で傍聴する機会のない多くの人にとって興味深い内容なのだが、ただ、タイトルだけが気に入らない。

「裁判官を笑うだなんて、不謹慎だ!」とか言うつもりはない。でも、ちゃんと爆笑するネタを集めてくれなきゃ、タイトルに偽りありだ。期待して買っただけに、ちょっとねぇ…。裁判官は浮世離れしてると言われたりするが、法曹界を目指す人の感性だと、もしかしたら、この本で爆笑するのだろうか?

取り上げられている事件の中に、幼児虐待なんかもいくつか取り上げられている。まだ、右も左も分からないような幼子が犠牲になる事件は、心の底から悲しみがわき上がってくる。本書を読んで笑うどころか、涙をこぼしそうになったほどだ。そんな不幸なできごとが、世の中から撲滅される日を望まずにはいられない。

おそらく、著者の意図とは大きくずれているのだろけど、そんなことを思いながら最後のページを読み終えた。

裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)

裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書)