環境問題のウソ

環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)

環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)

ブラックバス、お前もか…。」と云うのは、環境問題は実効果ではなくって、利権だってゆー話。温暖化、ダイオキシンは、環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks) にもあった通りなのだが、まさかブラックバスまでとは…。

おかしいとは思っていた。誰に訊いてもブラックバスはまずいらしいと言うのだけど、なぜか食べた人が周りにはいない。毒がある訳でもないのに…。まあ、食べてみたら本当にまずいのかもしれないが、100 人が食べて、100 人がまずいと思うなんてこともなかなかあり得ないだろう (まずいラーメン屋に行列ができてたりするでしょ?) し、情報の発信元は分からないけど、"まずい" は "作られた味" なんぢゃないだろうか…と感じていた。害魚としてのイメージの影響もあるのかもしれないが…。

wikipedia によると、もともとは食用として放流されたものらしい。が、今は「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律に基づき、ブラックバス特定外来生物に指定し、防除を行っている」のだそうな。防除となるとお金が動くから、そこで稼いでいる人たちにとっては、一般人に食われちゃうと困るわけだな。仕事がなくなって、お金が入ってこなくなるから。どうやら、うまくスケープゴードを作って、お金を回す仕掛けの一つになっているのが実情らしい。

テレビや新聞で環境問題を見聞きしているだけでは、偏った情報しか入っていないのだと云うことをつくづく思い知らさせる本書。多少、毒を吐いておられる部分もあるが、分かりやすく丁寧に環境問題の別の側面が書かれている。環境問題にタカっているヤツらはけしからん…と言うつもりはないのだけれど、メディアに洗脳されて環境問題を盲信するのはマズいとは思う。良かれと思ってやっていることが、実はぜんぜん効果がなかったり、逆効果だったりしては、いったい何のためやら…だ。環境問題は時間とお金のかかる問題だから、間違った方向に進んでしまうと取り戻せないかもしれないし、高額な税金の無駄遣いも、もったいない話だ。

未来を担う子どもたちに、ちゃんとした未来を残してやりたい。だから、メディアや利権団体が儲ける騒ぐ環境問題ではなく、真実の姿を正視したいと思うのだ。本書に書かれていることがすべて真実なのかどうかは残念ながら分からないが、十分に考察の価値はある。環境問題対策は本当に効果があるのか? 自分たちのとっている行動は十分に価値があるのか? 間違っているとするならば、どうするのがもっとも望ましいのか? …そんな議論に進むために、多くの人に一読を勧めたい。