ザ・ファシリテーター
- 作者: 森時彦
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2004/11/12
- メディア: 単行本
- 購入: 13人 クリック: 131回
- この商品を含むブログ (84件) を見る
期待を裏切らない面白い内容だ。生き残りのための企業改革を実践するサクセスストーリーを通じて、ファシリテーションの手法を紹介し、読者に成功を疑似体験させる企画モノ。手法の解説書だとどうしても形式的で堅苦しいところがあり、いざ実践しようとすると、ぎこちない進め方になったり、うまく周りを引き込めなかったりする。しかし、ストーリー仕立てだと「そんな片意地張らなくても、もっと気軽に実践できる」ことが伝わってくるし、試しにやってみようと云う気にさせてくれる。
ところで…。ファシリテーションのツールを見ていると、どこか他で見聞きしたものばかりだったりする。たぶん、アイデア発想法とか整理術とかコーチングとか…が好きな人には、既知のモノばかりだと思う。新しいツールを生み出すのではなく、どのようなシーンで、どのツールを使うのが有効なのか、応用編として集大成みたいな感じだ。
一つのツールや方法論では実際の現場では難しいところが多々ある。人が関わる以上、例えば心理学は無視できない要素だったりするが、そこから理想論や精神論で逃げないところがおもしろい。方式にこだわるのではなく、結果にこだわるのがいい。どうやら、このシリーズを読んで、すっかりファシリテーションに取りつかれてしまったようだ。
物語としても十分におもしろい。映画を撮っても十分に客を呼べるんぢゃなかろうか?
# その際は、関西弁で理屈をこねるちょっと嫌なおやじ役で、キャストに加えてくだされ。:-)