★★★★☆ "ブルー・オーシャン戦略"

「この本から IT 業界の学ぶべきことがありそうだ。*1

評判の高い本だが、考えてみれば "パイの取り合い" など誰も望むはずなど無く、競争の激しいレッド・オーシャンよりも、競争の無いブルー・オーションを悠々と泳ぎ回りたいのは、誰しも同じ。何を今更…と穿った視点で読み始めたのだが…。

ちょっと違う話だ。新製品を発明して新事業を開拓するようにと言っているのではない。「たいていのブルー・オーシャンはレッド・オーシャンの外ではなく内に生まれているのだ。」と書かれている。既存のビジネスの中にブルー・オーシャンはあると云う訳だ。これまで私が聴いた言葉では "選択と集中" に近いかもしれない。ただ、"選択と集中" と言われる戦略は、自分たちの強みにフォーカスが当たっている一方で、本書で述べられているのは "バリュー・イノベーション" だから、顧客側の価値を判断基準としている。価値が低くコストがかかる要因を排除し、価値が高いものに焦点を当てたり、価値の高いものを融合させて新たな価値を創造することで、新たなマーケットが生み出される訳だ。このあたり、物の考え方がゴールドラット博士の "ザ・ゴール" や "コストに縛られるな" に通じるものがある。

で、後半はアイデアを実現するにあたって、大きな障壁となる組織的な壁をどうやって超えるかと云う話になる訳だが…。まあ、良い本なので、読んでみてくだされ。*2

*1:ビジネスはもちろん、開発プロセスも。漠然とだけど…。

*2:しかし、すっかり読書ペースが落ちているなぁ…。