★★★★☆ "ターミナル"

「一途に約束を果たすために…。ええ話や。」

離陸後に自国でクーデターが起こったため、空港の入国審査で引っかかり、ターミナルから出られなくなってしまった一人の男の物語。国交回復まで飛行機も飛ばないため、強制送還もできないようで、さすがに移動中に国がなくなることまで想定してない法律の抜け穴に落ちたかっこうだ。"オシムの言葉" を読んでユーゴスラビアの事を知った後なので、東ヨーロッパあたりならそういうこともあるかも…と、今なら思える。

自国の惨状に悲観的になることなく、空港で生きる術を見つけてゆき、最終的には目的を達成することになるのだが、その目的と云うのは…。ま、感動のクライマックスなので、秘密にしておこう。

空港での生活の中、トム・ハンクスらしい演技で、微笑ましい笑いのドラマを生み出す。涙あふれる感動の名作…ってことはないけれど、心温まるハートフルムービーで、安心して観られる一本だった。