試験

「久しぶりにセミナーに参加してきた。」

テーマは「テストによる改善」と云うことで、せっかくの機会なので話を聴きに行ってきた。話の上手な講師の方だったので、最後まで眠くならずに楽しく話を聴くことができた。

セミナーの資料によると、成功するプロジェクトはわずか 26.7% なのだそうである。この数字は日経コンピュータの調べを基にしているそうだが、私の感覚ではもっと低いと思っている。組み込み系やパッケージなど、あまり知らない世界も含まれてるだろうから、もしかしたら、そういったところでは成功率は高いのかもしれない。

セミナーの最後に、おもしろいことを聞いた。「テストは行動ではなく、テストをしないで品質の高いソフトウェアを作るための精神的訓練である。*1」のだそうだ。なるほど、確かにそうかもしれない。

セミナーが終わってからいろいろ考えていたのだが、「状況は 10 年前と変わってないよなぁ…」と云うのが残った感想だった。セミナーに新規性がなかったと云うことではなく、ツールや方法論などの技術がいろいろ進歩しているにも関わらず、人間作業になってるところは 10 年前とあまり変わらないと云うことだ。とすると、”テストをしないで品質の高いソフトウェアを作る" などと云うゴールには、到底たどり着けないんではなかろうか?

私自身は、対処療法であるテストはあまり好きではない。低い成功率をなんとかしたいと云う問題意識は同じなのだが、バグが出ないように作ることに注力しているからだ。ただ、こう考えるに至ったのが精神修行を通ってきたからだとするならば、ある程度、テスト技術に注力して過ごしてきた時間も有意義なものだったのかもしれない。

*1:出典は Boris Beiser 氏らしいが、書籍までは分からない。