指導

「スポーツ観戦で見た、希望と絶望。」

先日、甥っ子のテニス大会の観戦に行って来た。まだ、中学 1 年生で、勝ち負けは重要ではなく、審判を体験したり、大会に慣れたり、そういう教育的なことが目的のようだった。時々、対外試合をやって、モチベーションを維持することなんかも意図されている感じだった。

まだまだ「どうやって勝つか?」とゲームを組み立てる水準ではなく、とにかく相手のコートに打ち返せば、相手がミスして得点になると云うレベルだが、日頃の練習の成果を発揮しようと頑張っている子供たちを見るのは、なかなか楽しい。

そんな中でがっかりしたのが、引率のコーチ陣だ。「何回、同じことを言わせるねん!」「なんで、いつも言ってる事ができんのや!」と、怒鳴り散らしまくっている。「あんたの指導力に問題あるんとちゃうの?」と思うのだが…。

こんな体験を繰り返していては、創意工夫するような人間にはならないだろう。指示に従う従順さを身につけさせるには効果的なんだろうが、そういう人間が求められる時代ではなくなってゆきそうだぞ。教える人間が率先して創意工夫しなきゃいけないんだが、そのためには大人の教育こそ重要なんだろうな、やっぱり。

そんな訳で、人間育成と云う点でも、世界に羽ばたくテニスプレイヤーの育成と云う点でも、がっかりしたテニス大会だった。ただ、楽しそうにプレーする子供たちの姿は、とても気持ちのいいものであったのが救いだ。