各論

「小さな事からコツコツと…。」

先日、未踏ソフトウェア事業のキックオフに行ってきたのだが、その時に喫煙所だか懇親会だかで「組み込みって一言で言っても、大きいのから小さいのまでいろいろある。どの組み込みなのかをはっきりさせないと、話がうまく噛み合ない。」と云ったような話をしていた。当日、組み込み関係の提案があり、その後の質疑応答で侃々諤々な雰囲気になったことから、先の話題になったのだが、総論ぢゃなくて各論で進めないと、なかなか共通理解にはたどり着かないと云うことなのだろう。

うまくいかないシステム開発でも、「結局、マネージメントが問題なんだ。」のように総論で終わってしまう事が少なくない。自分以外の誰か (何か) の責任にすることが目的ならともかく、解決するつもりがあるのなら、もっと踏み込む必要がある。先の例で言えば、マネージメントできない人間にマネージメントの役割を任せていることが問題なのかもしれないし、対象の方がマネージメントできる限界を超えていて、誰がやってもうまくいかないものなのかもしれない。解決の難しい大きな問題を解決のできる小さな問題に分けるとか、より本質的な問題を発見するとか、そういうところに踏み込んでゆくことで、解決に近づいてゆく。

問題を総論的にとらえたままだと、解決する見込みがどれだけあるのか分からない方法を採用してしまったり、解決を諦めてごまかしに力を注いだりすることになる。小さな問題を一つ一つ確実に解決し、それを積み重ねて改善に向かうような価値観こそが、"動かないコンピュータ" の量産を止めるために必要だと思うのだが、どうすればそんな価値観を注入する事ができるのだろうか?

そういう価値観を共有できるのならば、あらゆる困難に立ち向かって行けるだろうに…。