目的

「効率化して得するのは誰?」

企業が利益を上げるために効率化を目指すのは当然として、では、現場の担当者のメリットはいったい何があるのだろうか?

システム部門は、もしかしたら名声を得られるかもしれないし、出世や昇給が期待できるのかもしれないが、それ以外の部門では、苦労に見合うメリットが感じられないだろう。会社の利益が向上すれば、おそらくは事業拡大とか、株主への配当なんかに使われ、もしかしたら少しばかり賞与が増えるかもしれないけれども、定年までしんどい思いをして働く状況に変化はないと考えるのが普通だと思う。定年まで働いていられる環境がなくなるかもしれないから、守るために頑張らなきゃならない…なんて強い意識があるとも思えない。

遠すぎる目標はモチベーションにはならない。システム開発でも期間の長いプロジェクトは、どうも効率が悪い。変化を嫌うのが人間だし、極端に軋轢を嫌う日本人の性質もあり、短期的なインセンティブがなければ、変化に抵抗する意思の方が強く働く。変化は少なからず軋轢を生むしね。

短期的に、直接的に、ばんばん利益を還元する仕組みがあれば、変化は速くなる。"2 年で 1 億稼いだら、リタイアしてカナダへ移住するんだ!" なんてのは固定給制ではあり得ない。でも、もし、そういう願望が実現する可能性があるなら、高効率化への強い意志が働くことになる。

人の心を動かす組織作り。そんな事を考える今日この頃。