★★★★★ "ハッカーと画家"

「名著。」

友人(&師匠)に「これからシステムを作るにあたって、何で作ろうか悩んでるんですよ。気持ちとしては RubyWebObjects でやりたいんだけれど、ゴールまで一番近いのは PHP だと思うんですよ。どう思います?」と相談したところ、返ってきた答えがこの本だった。

当たり前のことだけれど、私の悩みについての直接の答えは書かれていなかった。ただ、開発言語についての著者の考え方は書かれていて、それは多いに参考になった。

この本は、別に開発言語についての話をまとめたものではない。ビジネスやものつくり、そしてハッカーについてのポール・グレアム氏の考えが、軽快に綴られている。タイトルに "ハッカー" と付いているが、コンピューターに侵入する人とはまったく関係がないし、コンピュータに詳しくない人が読んだとしても楽しめる内容だ。ぜひ、手に取ってみてもらいたい。

しかし、恐ろしい…。何が恐ろしいかって? それは、私が友人と交わした話題の大半について、この本の中で触れられているからであり、そしてこれから私の置かれる状況についての的確なアドバイスとなっているからだ。私はハッカーではないけれど、ポール・グレアム氏の考え方は、萎縮していた私の考え方を元通りに復元し、そして増幅してくれる。おそらく友人は、気まぐれか、思いつきで、この本を紹介してくれたのだろうと思うのだが、いつもあまりにも的確なので、すべてを見通しているのかと疑ってしまう。ま、それだけ私がある種のパターンにはまった思考をたどっていると云うことなのだろうけど…。

ちなみに最初の悩みに対する答えは、Ruby になりそうだ。これから、いくつかの不安点について調査して、決断はそれからになるのだけれど、ゴールを越えてできるだけ遠くを目指すなら、やっぱこれを使いたいと思うのだ*1

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

*1:Lisp は…ほとんど知識ゼロに近いので無理。