期待

「必要条件と十分条件の話。」
車を買いにディーラーを訪れたとする。さわやかな笑顔を振りまく営業マンは、「やっぱり、日頃のお買い物に車は欠かせませんね。」「家族で温泉に行くなら、やっぱり車でしょう。」「サファリパークはいいですよ。近くに水族館もありますし。」と、車の利用方法の話で、いろいろと夢を膨らませてくれる。肝心の車のことを訊くと、排気量はいくらだとか、搭乗人数は何人だとか、カタログや新聞のチラシに書いてあることを一通り話す。「で、実際、乗ってみてどう?」と訊くと「…実際に乗ったことはなくって…。」と云う返事。「ここに書いてある xxxx ってゆーフレームはどんなものなの?」「…すみません、あんまり車に詳しくないもので…。」

…こういうの、私はダメなんだ。「買った後の事は自分で調べるから、あんたは車のことを教えてくれ!」って思うのだ。

で、システム開発の話だ。いろいろなプロダクトのカタログスペックに詳しかったり、特定の業務に詳しかったりすることは大切なことだ。でもさ、受注したのは開発案件なんだから、まずはシステム開発について詳しくないとダメなんぢゃない? 普通、発注する方が期待するのは、そこだと思うんだけど…。車を買いに行くなら車に詳しいことを期待するだろうし、家を新築するなら建築に詳しいところに頼むだろ?

必要条件と十分条件システム開発に関する知識、技術、経験は必要条件。プロダクトや業務に詳しいのは十分条件。当然、必要条件の方が優先順位が上だ。"必ず要る" から必要と言うんだから。