★★★★☆ "ただマイヨ・ジョーヌのためでなく"

「奇跡の生還に勇気づけられる。」
"ただマイヨ・ジョーヌのためでなく"
自転車のロードレースのことはよく知らない*1のだけれど、確か、誰かのブログを読んで、ポチッとやってしまったのが、この本だ。

著者のランス・アームソトロングは、マイケル・ジョーダンタイガー・ウッズに並ぶアメリカンヒーローなのだそうな。ロードレースで頂点にいたところ、睾丸癌が発覚する。癌は既に転移が進んで、助かる見込みが絶望的な状況だったが、脳手術、化学療法を経て、癌は完治する。そればかりでなく、誰も信じなかったロードレース世界での頂点への返り咲きも実現してしまう。頂点、どん底、そして再び頂点へ…。その間の希望と絶望の心の葛藤が、本人の視点から描かれているのが、この本だ。

ご本人は「"ツール・ド・フランス優勝者" よりも、"癌の生還者" の肩書きを選ぶ。」と書かれており、癌患者のための基金も設立された。

空想ではなく、リアルな物語。世界の頂点にいる人でも、一人の人間として、心の葛藤は同じであることに共感を感じる。

GW の読書にお薦めの一冊だ。

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく