★★★★☆ "ただマイヨ・ジョーヌのためでなく"
「奇跡の生還に勇気づけられる。」
"ただマイヨ・ジョーヌのためでなく"
自転車のロードレースのことはよく知らない*1のだけれど、確か、誰かのブログを読んで、ポチッとやってしまったのが、この本だ。
著者のランス・アームソトロングは、マイケル・ジョーダン、タイガー・ウッズに並ぶアメリカンヒーローなのだそうな。ロードレースで頂点にいたところ、睾丸癌が発覚する。癌は既に転移が進んで、助かる見込みが絶望的な状況だったが、脳手術、化学療法を経て、癌は完治する。そればかりでなく、誰も信じなかったロードレース世界での頂点への返り咲きも実現してしまう。頂点、どん底、そして再び頂点へ…。その間の希望と絶望の心の葛藤が、本人の視点から描かれているのが、この本だ。
ご本人は「"ツール・ド・フランス優勝者" よりも、"癌の生還者" の肩書きを選ぶ。」と書かれており、癌患者のための基金も設立された。
空想ではなく、リアルな物語。世界の頂点にいる人でも、一人の人間として、心の葛藤は同じであることに共感を感じる。
GW の読書にお薦めの一冊だ。
- 作者: ランス・アームストロング,安次嶺佳子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/08/25
- メディア: 単行本
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*1:モーターサイクルロードレースなら、昔、少々。