進路

「"許される失敗" ってやつだ。」
"インフルエンス・ダイアグラム" に惹かれて、@IT へ…。どうやらデシジョントゥリーと同じものらしい。

先日の Aki さんのコメントについても、これを使えば説明できる。

  • 常識的路線*1の継続
    • 成功 - ある程度は評価が上がる。
    • 失敗 - 評価は上がらないけれども、言い訳が立つ。
  • 実験的手法*2へ挑戦
    • 成功 - ある程度は評価が上がる。
    • 失敗 - 言い訳ができず、評価が下がる。

図は頭の中に思い描いてもらうとして…。概ねこんな感じだと思う。評価は最終的には給与に繋がるのだけれども、常識的路線の方は悪くても現状維持ができる(と考えているらしい)。実験的手法の方は結果が悪いと評価が下がってしまうし、もし成功したとしても高が知れてる。IT 業界のシステム開発では、常識的路線で失敗する確率はかなり高く、開発遅延は半ば常識と化している。だけど、確率を加味して評価の期待値を計算しても、常識的路線の方はプラスになる。なんせ、最小値はゼロだからね。実験的手法の方は、仮に成功率を半々と想定したとしても、左遷や解雇まで考えると期待値はマイナスになってしまう。これでは新しいものを取り入れようとする意思は、あまり働かない。これが "許される失敗" ってやつだ。大概の組織の基本的な意思決定はこんな感じで、常識的路線で失敗することへ向かうようになっている。

現状分析はこんなところだけど、ぢゃぁ、どうすればいいのか? ってゆー改善策も、デシジョントゥリーを使って考えることができる。大失敗、大成功、1 回目の失敗なんてのを加えて、「組織として向かって欲しいところの期待値を最大値にする」のだ。新しいことにチャンレンジした場合、無条件に評価があがり、1 回目の失敗では評価は下げない。で、成功した時の評価を大幅に大きくするのだ。それに加えて伝統的手法で失敗した場合は、その原因に関わらず最初から評価を下げることにする。そんな感じで調整していけば、革新方向にシフトしていくことになる。*4

経営者ぢゃないと実現できないと考えるかもしれないけれども、担当者の立場でもできることはある。評価や確率が変わるような状況を作ればいい訳で…。こっから先は酒の肴と云うことで。(笑)

*1:広く知られているものとか、過去にやってきた方法とか。味噌は、過去の結果は関係ないってところ。

*2:会社として公式に認められていないとか、自分がよく知らないとか、初めての挑戦とか。

*3:全部は読んでない。英語がよくできる人に読んでもらってあらすじを聞いた。(~~;

*4:このあたりは飲みに行って聞いてきた話。そういう使い方もあるんだねぇ…。なるほど、なるほど。と感心することしきり。