上流

「上流工程をやるなら、このぐらいの知識が必要なんだよなぁ…。」
"視点を分けて業務システムを可視化 - ITmedia エンタープライズ"
上流工程をやるのに必要なのは、長年の経験や実装技術の蓄積ではないと云う持論を持っている。社会に出て初っ端から上流工程をやってもぜんぜんかまわない。むしろ、そうするべきだとすら思っているし、あちこちで主張しているのだけれど。

経験で身に付きやすいものと、そうでないものとに分けたとき、こういうのはなかなか身に付かないし、曲がりなりにも実務の場数を踏んで身に付けた間違った解決方法が、より良い解決方法を習得する弊害にすらなりかねないだろう。

また、協調して作業を進めてゆくことを考えた時に、同じ知識を持っていることは大切なことだ。もし、別々の会社で経験を積んできた二人が共同で作業をやることになったとしたら、先の知識を共有しているかどうかで作業効率は大きく違う。例えば、要件定義書に何を書くかと云う話題*1で、出てくる名称と書式は合うとしても、書く内容は大きく違う。一定水準以上の知識がないと、前提条件や完了条件の共通認識を持つことは容易ではないのだ。

大きさを数値化できないところが残念だけれども、個人的な感覚で言えば、作業時間で 2 倍以上の効率の差があると思うし、下流工程や成果物の出来具合まで評価に含めると、最終的には 10 倍ほどの違いがあるんぢゃなかろうか? 何を測定しているのかまったく分からない数値で申し訳ないけれど…。

*1:こういう話題をすることが時間の無駄だと思うのだ。でも、今の IT 業界の状況では、この話題を避けるとプロジェクトはうまく進まないのだ。