DENIM

「めちゃめちゃ気に入ってるのに使えない。」
"http://dub.washington.edu/denim/"

Web サイトと、Web の画面をデザインする DENIM と云うツールがおもしろい。百聞は一見にしかず。ウェブサイトからムーヴィーをダウンロードして、観てもらいたい。

左のスライダーは上が全体図方向、下は詳細化方向になっている。すっごくレンジの広いズームレンズみたいな感じだ。全体図で構成を確認しながらサイトバランスを考えて、中ぐらいのところで画面遷移を線引きして、詳細化して画面の中身をデザインしていくことになる。いちいちファイルを渡り歩いたりしなくても、全体から詳細まで自由に移動できる。これなら、書いた内容に矛盾が発生したりすることはない。変更作業も一回で済む。その上、デザインした画面を動かしてみることもできる。実際に画面遷移ができるし、チェックボックスにマークしたりもできるのだ。デモにも使えるって寸法だ。

ユーザーインターフェースの試みとしてもおもしろい。手書きの図形を都合のいいように解釈してくれるのだ。四角を書けばウィンドウと認識されるし、四角と四角をつなげばリンクと認識される。だから、わざわざメニューから「リンクを作成する」なんて選んだりしなくていい。昔、Apple 社の Newton*1 を使っていたんだけと、その時の記憶がふつふつと甦る。ただ、マウスではあまり実用的ではないんだけどね。

ポップアップメニューもおもしろい。右クリックすると、ポイント部分を中心とした円形のメニューがポップアップする。これらなら、どのメニュー項目を選ぶのも、わずかなマウスカーソルの移動で済む。おそらくはタブレットのペンをプレスすることを想定しているのだろう。円形のメニューだと選択肢の数が限られてしまうことが気になるところだけど、そこがまたいいのだ。だらだらと長いメニューは使いにくいからね。

…と云うような素晴らしいソフトウェアである DENIM を見つけたのはずいぶん昔のことで、めちゃめちゃ気に入っているんだ。残念ながら、マウスやタッチパッドではちょっと使えそうにない。ちょっとしたドローソフトのような図形を描けるようになれば、マウスでも快適に使えるようになるんぢゃないかと思うのだけれど、タブレットを買う方が現実的かもしれない。うーむ、タブレット PC が欲しくなってきてしまったではないか。

で、一番気に入っているのは、拡大から縮小まで矛盾が発生しないことなんだんだけれども…。

システム開発をやっていると、全体計画と詳細な予定のつじつまが合ってないとか、会社の全体方針と直属の上司の直近の言動に矛盾があるとか、要件定義と基本設計で書いてあることが違うとか、本当はフラクタルでなきゃならないのに、そうなってないこと ってのがいろいろある。もしかしたら、そのストレスの反動で、矛盾がない美しさに惹かれるのかもしれない*2。全体と詳細でぜんぜん対応のとれていないスケジュールを見て、「ちょっとはデニムを見習え!!」ってゆーのが通じる日が来るといいんだけれども。(笑)

*1:Apple Message Pad の通称だけど、みんな Newton って呼んでた。

*2:あるいは逆転裁判の後遺症か?