Smoke free

「ありゃ、ここも禁煙になっちゃったのか…。」

町中で "禁煙" の看板を見かけることが増えてきた。でも、"喫煙" の看板を使った方がいいように思う。"禁煙" の看板があると、暗黙のルールが "喫煙" で、"禁煙" が例外的なルールとなってしまうからだ。"喫煙" の看板が掲げられると、暗黙のルールが "禁煙" になってゆくことが期待できる。

禁煙場所でタバコを吸っている人に「ここで吸うな!」と言うと揉めやすい。揉めなくてもお互い不愉快な思いをするはず。これは、吸いたい人の意向を無視しているからだ。でも「あちらで吸ってはどうですか?」なら、タバコを吸いたい人、煙に巻き込まれたくない人の両方の都合を満足させられる。そんな効果も期待できるだろう。"喫煙" の看板を増やして、"禁煙" の看板を減らすのが良い社会へ向かう道だと思うのだ。

駐車禁止もそう。運転者は禁止場所を知りたいのではなく、止められる場所を知りたいのだ。駐車禁止だと知らなくて止めちゃってる事例は滅多にないはずで、分かった上で捕まらない方にかけて止めているのがほとんどだ。そんな状況で、独自の看板を立てたり、車に張り紙したりするのは、そんなに効果的な方法ではないだろう。

甥っ子の運動会を観に行った時に、PTA に「ここに駐車しないでください。」と咎められたことがある。「分かりました。では、どちらに止めればいいですか?」ときわめて紳士的に振る舞ったのだが、「そんなことは知りません。とにかく止めないでください。」とややケンカ腰で言われたのには参った。お互いにとって良い方法を模索する姿勢が大事だと思うのだが、先に敵意が出てしまうのはなぜだろう?