番組

「ドラマ内広告はもっと普及する。」

地上波、衛星、ケーブル、ネットと番組を配信する仕組みが多様化すれば、当然、番組は増える。だけど、一般の人々が見ることに使える時間が増えたりはしない。視聴者は広告を見たい訳ぢゃないんだから、限られた時間の中でできるだけ効率よく見るために、広告を抜いてみるとか、放送時は見ないでレンタルビデオで見るとか、広告の最中にザッピングをする。そうやって、できるだけ見たい内容を見る確率を上げる方向に動くのだから、見たくないものが排他されるのはしょーがない。そうなってくると提供する側が、視聴者が見たい内容と提供側が見せたい内容を混ぜるのは、当然の流れ。

もともと、スポンサーの意向に逆らった番組を配信することなんてできるはずはなく、視聴者には分かりにくい形で広告の役目を果たしていた。例えば、健康志向の番組なんて、ダイエット食品やサプリメントの宣伝みたいなものだし、子ども向けヒーロー番組なんて…。

それが、あからさまに番組の中でスポンサーの意向を表明することになる訳だ。いいことぢゃないか。人はあからさまに良さを強調されると疑いの目を持つけれども、番組の中でさらっと登場して自分で良いものだと思った場合は、暗示的な効果を持つ。いかにも科学的な裏付けがあるような論調の場合もそう。「この番組のスポンサーは○○だからなぁ…」などと穿った見方をする人は少数だ。

番組制作にスポンサーの意向が入るようになれば、番組の中での登場も分かりやすい形になるはず。スポンサーに広告効果をアピールしなきゃならないから、分かりやすい形で表に出さざるをえなくなるに違いない。
そうなってくれば、番組の内容を闇雲に信じることなく、ちゃんと疑いの目で見るようになることが期待できる。そして、自分で物事を判断しなきゃいけなくなるだろうし、提供する側は顧客に対して不誠実な商売ができなくなる。

…なる? なるといいなぁ…。

そういえば、最近のゲーム機だと、ゲーム中に出てくる建物や乗り物に広告を出すなんてこともやっている。そういう時代だ。