入力
「興味深いけれども、決断には勇気がいる。」
いかに快適に日本語を入力するかは、とても興味深いトピックだ。今はすっかり Mac OS X 標準の "ことえり" で、ローマ字変換で入力しているが、他にもいろいろ試したことがある。かな入力だった時期もあるし、オアシス配列による入力だったこともあるし、「す」*1 なんてのも試したことがある。他に 桜(花配列エミュレータ) と云う気になる存在もある。
快適に入力したいのは、思考を邪魔されたくないからなんだけれども、効率が良さそうなものに乗り換えるのはなかなか難しい。私にとって最大の障害だったのは、仕事柄、いろいろなマシンや OS に触らなければならなかったことだ。特定の入力方式に特化してしまうと、他で大きなストレスを抱えることになってしまう。結局、かな入力すらも捨てて、もっとも普及しているローマ字入力からの変換方式に体の方を慣らすことにしたのだ。
他にも、OS のバージョンアップに追従してくれるかどうかは不安材料だし、トレーニングにかかる時間も気になるから、新しい IM を導入するのはついつい腰が引けてしまう。それでも効率の良い入力方法は興味が尽きない。「す」や SKK は使う人が賢くなることが要求されるが、その方が望ましいと思うのだ。
ずいぶんと昔のことになるが、かつて Mac は "Wheels for the Mind (知の自転車)" として売られていた。エンジンが付いて勝手に動く自動車ではなく、自分の力でこぐ自転車である。
勝手に何かをしてくれるのではなく、自分の能力を伸ばしてくれる…そんな感じの意味が込められたメタファーとしての自転車だった。
最近、変換に頼り切ってしまって、すっかり漢字に弱くなってしまったのだが、自分の能力を伸ばすためにも、IM に頼り切らない入力方式を採用してみるべきなのかもしれない。