頑固

「私は頑固者と呼ばれることを頑なに拒否する。」
2005/5/22 放送の "発掘! あるある大事典" のテーマが、"癖で分かる性格" だった。確かにそういうことってあるよなぁ…と思って注目していたら、初っ端は「携帯電話を左手で持つ人は頑固者!」と云うとんでもない言いがかりだった。

そもそも "頑固者" なんて基準が曖昧な決め付けをするなよと、お決まりの突っ込みはあるのだけれど、そんなことよりも問題は根拠だ。なんでも、昔の電話機には左側から受話器につながっていたために左手で受話器を持つのが普通だったが、ケーブルの呪縛がない携帯電話なら利腕である右手で電話機を持つのが当然であり、にも関わらず左手で携帯電話を持つのは時代の変化に対応できない頑固者なんだそうな。

おいおいおいおい…。

まず、これは有線型固定電話経験が豊富な世代にしか当てはまらない。コードレス電話世代はもうダメだ。携帯電話ユーザーでどのぐらい有線型固定電話の呪縛があると言うのだろう?

そもそも電話機の左側に受話器が接続されていたから、左手で受話器を持っていたと云うのが怪しい。少なくとも私は右手でメモを取るから左手で受話器を持っていたのだし、ケーブルはカールコードになっていて十分にゆとりがあったから、右手で持てないほどの制約になっていたとは思えない。右利きでメモを取る人は、携帯電話になってもやはり左手で電話を持って、右手でメモを取るんぢゃないかと思う。私が思うに、携帯電話を右手で持っている人は、固定電話も右手で持っていた確率の方が高いんぢゃないか? 利耳の制約の方が強そうだし。

それから、たかだか携帯電話のボタン操作に利腕が必要だろうか? 私は携帯メールを左手でも入力する。試してみたら、どっちの手でも違和感がなかったから、状況に応じて都合のいい方の手で操作しているようだ。これって頑固者どころかめちゃめちゃ状況に順応してると言えるのでは?

要するに、携帯電話をどっちの手で持っているかで頑固者かどうかなんて分からないのだ。「電話機の左側に受話器が繋がっていたから、左手で受話器を持っていた」と云う勘違いから離れられない方が、頑固者と言えるかもしれない。しかしまあ、こんなデタラメな話を、いかにも科学的な根拠があるかのように放送したらあかんのとちゃうかなぁ…。と云う訳で、エセ科学に騙されないように、カール・セーガンの本をお薦めしておきたい。

ところで、夕べの "あるある" を見て、なるほどなるほどとうなずき、ここの日記を見て、またまたうなずいたあなた! 主体性がなく、他人の意見に流されやすい傾向がありますよ、たぶん。(笑)