邪魔

「使いやすいシステムを作るために、邪魔なものはいろいろある。」
システム開発で役割分担するとき、業務で区切ってサブシステム毎にチームを作り、チーム内で作業内容に応じて役割分担するのが一般的かと思う。まあ、それはそれでいいのだけれど…。

画面の設計をするとする。いくつかある使いやすさの条件の一つは、全体として統一したポリシーに基づいた設計がなされていることだが、そうすると自分のところのサブシステムだけ違うポリシーを採用するわけにはいかない。他の要因で使いにくいことが明らかでも、会社としての納品物であると云うこともあり、統一感の方が優先する。「今時、そんなホスト時代を彷彿とさせるようなデザインなんて…。」と思ったとしてもだ。たぶん、業務区切りのチームから切り離されたユーザーインターフェースデザイン専門の立場でなければ、良いユーザーインターフェースを作るのは難しいだろう。

見積り根拠として画面数を提示しているのも NG だ。使いにくくても、画面数が多い方が儲かるのだから、画面数を減らす方向へ工夫したりはしない。まして移行案件なら、「旧システムにもあった画面なので、この方が使いやすいでしょう。」と、画面数の妥当性が説明できてしまう。

これは発注側の意識改革が必要かもしれない。画面数で価格交渉してしまうと、使いにくい上に高額な請求をされてしまうことになり、なんのために価格交渉したのやらぁ…と、本末転倒な結末に気づかないと。

ユーザーインターフェースデザインの優秀な技術者は、こういう社会的な問題が解決した後にならないと存在価値が薄そうだ。