★★★☆☆ "ダーリンの頭ン中"

「是非、ラズロ氏と飲みに行きたい。」
"ダーリンの頭ン中"

英語と日本語の不思議をネタにした漫画で、テーマも面白いし、漫画も面白い。電車の中で薄笑いを浮かべながら読んでたので、不気味なヤツだと思われたかもしれない。

例えば "The" の話。日本人は、基本的にザと発音するけれども、母音の前ならジと発音すると習ったはずだけど、ネイティブはそんなことは意識してないらしい。母音の前はジの発音することが多いけれども、他にも強調したい時はジと発音するそうな。

"V" の発音も下唇を噛んだりしないし、"Th" の発音でも舌を噛むと云うのはちょっと違う。「英語はそんなに痛い言語ぢゃないよ。」と云う突っ込みには、プププと吹き出してしまった。発音の話ばかりぢゃなく、翻訳にまつわる話や語源の話などにも触れている。ぜんぜん難しい話ぢゃなくって、軽く読める雑学漫画。日本語ネイティブが気付かない日本語の不思議もいろいろあって、楽しませてくれる。

ダーリンの頭ン中 英語と語学

ダーリンの頭ン中 英語と語学

とっても興味深いテーマで実におもしろいんだけど、好きなテーマだけに、ぜんぜん物足りない。うーむ…。

さて、ラズロ氏は "Sydney" の最初の "シ" の発音表記について、"セィ" を提案している。これは、既に定着しているティの表記に習って、スィよりもセィを推しているのだが、タ行とサ行では事情が異なるからなぁ…。どうなんだろ?

サ行はシの子音の発音方法が違って、"Sa Shi Su Se So" って感じになってる。で、スィはイ段の音で、シと同じ段なんだけど、一つずらしてスィと表記しているのだと思う。一方、タ行はチとツが子音の発音方法が違う。"Ta Chi Tsu Te To" って感じだ。ティはイ段だからチと同じ段なんだけど、一つずらしてツィと表記すると、ここもまた子音の発音方法が違う。しょーがないから、もう一段ずらしてティと表記せざるを得ない訳で…。

ティにしてもスィにしても、小さいイは母音がイになることを表していて、問題は子音をどう表現するかと云う部分だけなのだが、いっそのことタィとかサィとア段の文字を使うとか…。