悪魔の反論術

悪魔の反論術―気づかれずに、相手を自分の主張へ導く心理学

悪魔の反論術―気づかれずに、相手を自分の主張へ導く心理学

導入部によると、反論より迎合を選ぶ人に向けて書かれているのだが、どうやって交渉によってうまく目的を達成するかを、心理学や話術の面から説明している内容なので、反論から会話を展開するタイプの人が読む方がいいのかもしれない。なぜなら、すでに反論するネタは頭の中にあるのだから、表現の仕方や、話の順番、効果的なつなぎといった "術" の部分を補うのに本書が最適だと思えるからだ。

タイトルに "悪魔の" とあるが、とても悪魔的な内容とは思えない。懇切丁寧に、心理学、話術を説明している内容だからだ。…が、しかし、反論されている相手が反論されていると気付かず、いつのまにかうまく目的を達成してしまうのであれば、これほど悪魔的なものはないのかもしれない。悪魔の衣装を着て、悪魔グッズを持っている 'いかにも悪魔です〜' な人が信用されるはずなどない。本当の悪魔は、天使のような素振りで、笑顔を振りまいて近づいてくるのだ。

…とタイトルの煽りに載ってみたが、一般的な話術書なので、ご安心を。